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空音「帰宅後のテーブル」
- 2014.05.04 Sunday
- 各冊子ご紹介
- 12:28
- comments(0)
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- by 詩架
うちに帰るとテーブルの上に
メモ書きがひとつ
うちに帰るとテーブルの上に
ワインが ひとつ
て
そんなことないか
**
空音嬢のつやのある低音
部屋をつつみこむピアノ
帰宅後のテーブルで、ぜひ。
『春暁』ご紹介
- 2013.04.21 Sunday
- 各冊子ご紹介
- 01:33
- comments(0)
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- -
- by 詩架
『春暁』 A5コピー、48ページ、300円。
企画本/三題話/現代・恋愛・随想・妄想・幻想なんでも/短編10本+豪華イラスト
・Which Colour Do You Like? ―水無瀬
・ラムネ ―紫
・カゴのなかのコイゴコロ −石田麦
・赦し ― 山下慶一
・エターナル・バブル −姫神雛稀
・渦中である ―天根和幸
・眠れない −深瀬 終
・夜明けの手紙 ― 正井
・Whichever Colour You Choose ―容
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2013春文学フリマin大阪新刊です。
表紙はこちら。泉井啓様が描いてくださいました。
「表紙描いてください!」と無邪気にお願いしたら、激烈美少女が何人もでてきて、
選びきれなくて中表紙にも、奥付にも、かわいい女の子がいます。
もうなんといっていいのか……ありがとうございます……。
なんて華やかなの。
いつもなら各作品の冒頭抜粋をしますが、ゲスト様多数かつ別サークルからの
参加者もいらっしゃいますので、今回は詩架の浮かれまくった後書きを全文抜粋して
ご紹介に代えさせていただきます。
『春暁』を手にとってくださって有難うございます。愉しんでいただけましたでしょうか。
本書は、「泡」「籠」「暁」の三題を含む作品、ジャンルは問わない、という企画で
製作しました。
詩架はふたりぽっちなのにゲスト様九名、書名ページ数ありきの三題噺などという
無茶振りを快諾くださった友人がこんなに居るなんて、私たち人脈石油王じゃなかろうか。
詩架は皆さまのご好意で継続しています! とりわけ表紙に始まる多数のイラストを描いて
くださった泉井啓様に最敬礼。まさに春の息吹を感じる、華やかで凛とした女の子たちに
うっとりです。なんとノベルティ栞まで戴き……言葉もない……(十五名様限定配布です)。
水無瀬と容の短篇は対になるよう作ってあります。企画側ですので折句もどきを
仕込んでみました。ヒントは本書タイトル、英語、一文字ずつ、です。分かった方は
Twitterかブログで是非お声がけを。回答もブログに掲載しますね。
最後に、ゲスト各位に改めてお礼を。皆さま本当に素敵な作品たちをありがとう。
企画編集している、その時間が既に春でした。読んでくださったあなたにも、心地よい
春のひとときをお届けできたことを願って。
さて、この後書きなどで言及している「折句もどき」の種明かしを。
続きは畳みます。
『春暁』予告
- 2013.04.07 Sunday
- 各冊子ご紹介
- 01:27
- comments(1)
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- -
- by 詩架
2013春文学フリマ新刊『春暁』
コピー本、48ページ、300円。
短篇9編+豪華表紙と随所にイラスト。
ずっと「耽美」と形容されそうな冊子ばかり作ってきましたが、
記念すべき大阪文フリ、そして春! にあわせて
ポップでカラフルなものを作ろう、と企画しました。
「泡、籠、暁」での三題噺ばかり集めた短篇集です。
かつ、文字数も「●●字以内」ではなく、「見開きで2ページちょうど」と
幅の狭い指定をさせていただきましたが、
快諾くださったゲスト様方のレベルの高さよ!しかも仕事が速かった!!
-------------------------------------------------------------------
ゲスト様と作品タイトル一覧です。(敬称略)
まだ収録順は確定ではないので、順不同です。
泉井啓 表紙、中表紙、奥付
正井 夜明けの手紙
紫 ラムネ
まぬけづら うたかた
姫神雛稀 エターナル・バブル
天根和幸 渦中である
石田麦 カゴのなかのコイゴコロ
深瀬終 眠れない
山下慶一 赦し
水無瀬 Which colour do you like?
容 Whichever colour you choose
-------------------------------------------------------------------
一歩間違えばありふれたテーマになりそうな三題ながら、
ネタが被ったものが一つもなく、文体も濃淡もそれぞれ異なる、
読み応えのある一冊となりました。
もちろん水無瀬と容も書いています。いちおう企画者なので趣向を凝らして、
『春暁』という書名にちなんだ「折句もどき」を二人の短篇には組み込みました。
ヒントは、二人で半分こ、英語、です。
原稿読んでくださったゲスト様数名に考えていただきましたが、
まだ正解者は出ておりません。
結構分かりやすいと思うんだけどなー。
よろしければお手に取って、考えてみてくださいね。
泉井啓様の超きらっきら素敵なイラストの片鱗をこの子で!
あーかわいい。買い占めたい(おまえがかい)
表紙はもっともっと彩りに溢れ華やかで春の息吹です!
どうぞ実物を見に、詩架ブースA17へ!!
未題
- 2013.02.24 Sunday
- 各冊子ご紹介
- 13:09
- comments(0)
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- -
- by 詩架
・『未題』 新書オフセット、72ページ、500円。 【在庫僅少】
恋愛/幻想/百合。
こちらも、あかばらさ天根和幸氏がゲストで寄稿くださってます。
・前書き(「合わせ鏡」) ―容
・漂う骨 ―容
・そして、死の匂い ―水無瀬
・水のない川 ―容
・散骨 ―キィ
・営む 五つの情景 ―容
・Muddy ―天根和幸
・堕落 ―水無瀬
・ 、 ―容
・目覚めのない朝を待つ ―キィ
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2011秋・文学フリマ新刊です。
『不在』と同時発行ですが、こちらは、水無瀬、キィ、容が大学;時代に
書いていた短篇の再録が中心になっています。
『不在』がその当時の私たちのテーマの集大成、とするならば
『未題』はそのデッサンの集まりでしょうか。
短めで、情景的な作品が多いです。
特に容は作品数が多く見えて一つ一つが短い、羊頭狗肉パターンです(笑)
デッサンといっても、各作品は『不在』とは独立していますので、
セットではなく個別にもお楽しみいただけます。
そして再録と言いつつ、「漂う骨」は完全リライト、
「堕落」および「目覚めのない朝を待つ」は完全書き下ろしなので
大学時代というよりは、詩架の文体になっているかと。
あ、そういえば、容の「 、」は、誤植ではなく、そういうタイトルです。
読点ですね。息継ぎ、空白、つなぎめ、そういったイメージでした。
表紙はこちら。詩架がこよなく愛する大阪・中崎町の
書肆・珈琲舎アラビクさんの中庭を撮らせていただきました。
(ちゃんとオーナーにお願いしたよ!)
すっごい素敵なカフェなので、皆さまもぜひお運びになって。
以下、各書き手のものを一つずつ、冒頭抜粋です。
「手首をつかめば指の痕が淡くついた。カーモスの白い肌に朱く浮く己の痕にヴァリェタは
甘い目眩を覚える。彼女の皮膚はやわらかい。細く骨ばって硬質なはずの手首にすら、
力をこめればあっけなく鬱血がにじむ。肌がどうしようもなく柔いのだ、とヴァリェタは嘆息
する。薄い皮膚はしきそもうすく、銀色の長い髪は陽の下でも月の光のように煙った」
―「堕落 」
「私は妖気立って凶悪なこの犯罪者と心中してやると決心した。
『行き先は天国でいいかい、』
とてもよく晴れた寒い日だった。私は朝からいつものように、見張り台の塔の上から広大な
墓地を見下ろしている。私の仕事はここで日がな一日、墓地の見張りをしていることだ」
―「Muddy」
「ねえ、知ってる。これネズミの肉が入ってるんだって。ユミが得意気に切り出す。持っている
バーガーにはしっかりと歯型がついている。いやだぁ、とサキはバーガーにパクついた。
ありがち、とリナはポテトをくわえる。他の客席を気に留めずにユミはケラケラと笑った。会話も
関係も紙ナプキンくらい、薄ければ薄いほど軽ければ軽いほどいい」
―「目覚めのない朝を待つ」
「ヒステリア・シベリアナという病気を知っているかと彼は訊いたのだった。小説で読んだわと
私が答えると、口の端を吊り上げて、君は憧れてるんじゃないのかいと皮肉る。地平線しか
見えない荒野を耕し続けた農夫が、ある日突然鍬を投げ捨て、太陽の沈む西へ西へと歩き
続けて飲まず食わずでやがて死ぬ。君は素質があるよ、なぜなら君はそう思い込みたがって
いるから、とにっこり笑って、私達は食事に出かけた。食べることを嫌いな人間がいるなんて
信じられない、とその夜私は思っていた」 ―「 、」
不在
- 2013.02.24 Sunday
- 各冊子ご紹介
- 11:17
- comments(0)
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- by 詩架
・『不在』 新書オフセット、82ページ、500円。 【完売しました】
恋愛/不在、欠落、喪失。連作含む短篇8編
完売しましたが、『翼果集』に全編再録されていますので、ご参考ください!
あかばらさの天根和幸氏にゲスト寄稿いただきました。
いつもありがとうございます。
・Solid Objects ―水無瀬
・ドライ・ドライ・マティーニ ―キィ
・極月の花 ―水無瀬
・脈 ―天根和幸
・最愛 ―水無瀬
・夜明け、あるいは常明の ―容
・手を伸ばす、僕らは光を飲み干して ―容
・飛翔 ―容
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2011秋・文学フリマ新刊です。
詩架の処女作でもあります。
食べて働いて眠る、という生活の土台には何ら影響ないけれど
「生きて」いくために各人が必要とするものがあると思います。
あるひとにはフィクションの摂取、
あるひとには恋愛かもしれず、
あるひとには恋愛ですらない、友人との隠微な精神のつながり、
レイモンド・カーヴァーという作家に、"Last Fragment"という詩があります。その一節を引きますが、
To call myself beloved,
To feel myself beloved on the earth.
恋愛に限らず、どんな形であれ「在ることを赦されている」実感のために生きているのではないかという気がします。
その実感を得るために必要とする何かがあると思うのです。
それが「欠落している」「いつまでも不在である」「喪失してしまった」状況が、結成前から詩架の書くもののテーマでした。
その欠落/不在/喪失 と認めたうえで、どう生きていくのか
あるいは自分の手で作り出せないか?
「なにか」を奪われたり取り戻そうと足掻いたり、
失ったまま記憶をよすがに生きてみたり、
あらたな何かを手に入れるために違う場所へ飛び立ったり、
そういう話を収めた本です。
表紙はこちら。キィが作った人形と薔薇です。撮影もキィ。
なんだか好評で、皆さまの手に取り率が高かったそうな。
以下、各書き手のものを一つずつ、冒頭抜粋です。
「曇天。葉を落とした木々の枝が寒空にひっそりと目して冬を待つ。ガラス張りのビルが
ベルベットの空を映す。あなたは終わりを待つと決めた。彼女を何からも引き止めないと
決めた。あなたの夢は終わるものだ。世界は続く。あなたが生きている限り続く。夢が
絶え果てても」 ―「最愛 」
「私は羊を連れて放浪を続けます。羊が何頭いるか私は知りません。しかしいなくなる
羊がいれば私はいずれそれがわかるし、その羊が戻ってくることも、戻ってこないことも
あります。いなくなった羊が惜しいことも、そうでもないこともあります。これらの羊はおのず
から生まれることも、私が生むこともあります。私はそれらの羊と群れなして、放浪を続ける
のです」 ―「脈」
「ふたりはそれぞれのアミュレットを月光の届く窓辺に置いた。満月が石を浄化する。
彼女のものはローズクウォーツと水晶を中心にラピスラズリなどを入れて組んである。
あなたの石はオニキスに水晶、天眼石だ。月光を反射して触れると冷たい」
―「ドライ・ドライ・マティーニ」
「詩稀は酔いの只中に居ると、悠希は思っている。 取り立てて奇異な女ではない。
人目を引く容色もない。身長・体格ともに標準で、むしろ一般に埋没するのが特技だと、
称えてやってもいいほどである。ただ詩稀の眼だけが悠希を捉えた。黒々と底深く、
膜の張ったような鈍い光を放ち、そのくせ貪欲に対象を射抜く眼」
―「手を伸ばす、僕らは光を飲み干して」
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