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未題
- 2013.02.24 Sunday
- 各冊子ご紹介
- 13:09
- comments(0)
- -
- -
- by 詩架
・『未題』 新書オフセット、72ページ、500円。 【在庫僅少】
恋愛/幻想/百合。
こちらも、あかばらさ天根和幸氏がゲストで寄稿くださってます。
・前書き(「合わせ鏡」) ―容
・漂う骨 ―容
・そして、死の匂い ―水無瀬
・水のない川 ―容
・散骨 ―キィ
・営む 五つの情景 ―容
・Muddy ―天根和幸
・堕落 ―水無瀬
・ 、 ―容
・目覚めのない朝を待つ ―キィ
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2011秋・文学フリマ新刊です。
『不在』と同時発行ですが、こちらは、水無瀬、キィ、容が大学;時代に
書いていた短篇の再録が中心になっています。
『不在』がその当時の私たちのテーマの集大成、とするならば
『未題』はそのデッサンの集まりでしょうか。
短めで、情景的な作品が多いです。
特に容は作品数が多く見えて一つ一つが短い、羊頭狗肉パターンです(笑)
デッサンといっても、各作品は『不在』とは独立していますので、
セットではなく個別にもお楽しみいただけます。
そして再録と言いつつ、「漂う骨」は完全リライト、
「堕落」および「目覚めのない朝を待つ」は完全書き下ろしなので
大学時代というよりは、詩架の文体になっているかと。
あ、そういえば、容の「 、」は、誤植ではなく、そういうタイトルです。
読点ですね。息継ぎ、空白、つなぎめ、そういったイメージでした。
表紙はこちら。詩架がこよなく愛する大阪・中崎町の
書肆・珈琲舎アラビクさんの中庭を撮らせていただきました。
(ちゃんとオーナーにお願いしたよ!)
すっごい素敵なカフェなので、皆さまもぜひお運びになって。
以下、各書き手のものを一つずつ、冒頭抜粋です。
「手首をつかめば指の痕が淡くついた。カーモスの白い肌に朱く浮く己の痕にヴァリェタは
甘い目眩を覚える。彼女の皮膚はやわらかい。細く骨ばって硬質なはずの手首にすら、
力をこめればあっけなく鬱血がにじむ。肌がどうしようもなく柔いのだ、とヴァリェタは嘆息
する。薄い皮膚はしきそもうすく、銀色の長い髪は陽の下でも月の光のように煙った」
―「堕落 」
「私は妖気立って凶悪なこの犯罪者と心中してやると決心した。
『行き先は天国でいいかい、』
とてもよく晴れた寒い日だった。私は朝からいつものように、見張り台の塔の上から広大な
墓地を見下ろしている。私の仕事はここで日がな一日、墓地の見張りをしていることだ」
―「Muddy」
「ねえ、知ってる。これネズミの肉が入ってるんだって。ユミが得意気に切り出す。持っている
バーガーにはしっかりと歯型がついている。いやだぁ、とサキはバーガーにパクついた。
ありがち、とリナはポテトをくわえる。他の客席を気に留めずにユミはケラケラと笑った。会話も
関係も紙ナプキンくらい、薄ければ薄いほど軽ければ軽いほどいい」
―「目覚めのない朝を待つ」
「ヒステリア・シベリアナという病気を知っているかと彼は訊いたのだった。小説で読んだわと
私が答えると、口の端を吊り上げて、君は憧れてるんじゃないのかいと皮肉る。地平線しか
見えない荒野を耕し続けた農夫が、ある日突然鍬を投げ捨て、太陽の沈む西へ西へと歩き
続けて飲まず食わずでやがて死ぬ。君は素質があるよ、なぜなら君はそう思い込みたがって
いるから、とにっこり笑って、私達は食事に出かけた。食べることを嫌いな人間がいるなんて
信じられない、とその夜私は思っていた」 ―「 、」
不在
- 2013.02.24 Sunday
- 各冊子ご紹介
- 11:17
- comments(0)
- -
- -
- by 詩架
・『不在』 新書オフセット、82ページ、500円。 【完売しました】
恋愛/不在、欠落、喪失。連作含む短篇8編
完売しましたが、『翼果集』に全編再録されていますので、ご参考ください!
あかばらさの天根和幸氏にゲスト寄稿いただきました。
いつもありがとうございます。
・Solid Objects ―水無瀬
・ドライ・ドライ・マティーニ ―キィ
・極月の花 ―水無瀬
・脈 ―天根和幸
・最愛 ―水無瀬
・夜明け、あるいは常明の ―容
・手を伸ばす、僕らは光を飲み干して ―容
・飛翔 ―容
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2011秋・文学フリマ新刊です。
詩架の処女作でもあります。
食べて働いて眠る、という生活の土台には何ら影響ないけれど
「生きて」いくために各人が必要とするものがあると思います。
あるひとにはフィクションの摂取、
あるひとには恋愛かもしれず、
あるひとには恋愛ですらない、友人との隠微な精神のつながり、
レイモンド・カーヴァーという作家に、"Last Fragment"という詩があります。その一節を引きますが、
To call myself beloved,
To feel myself beloved on the earth.
恋愛に限らず、どんな形であれ「在ることを赦されている」実感のために生きているのではないかという気がします。
その実感を得るために必要とする何かがあると思うのです。
それが「欠落している」「いつまでも不在である」「喪失してしまった」状況が、結成前から詩架の書くもののテーマでした。
その欠落/不在/喪失 と認めたうえで、どう生きていくのか
あるいは自分の手で作り出せないか?
「なにか」を奪われたり取り戻そうと足掻いたり、
失ったまま記憶をよすがに生きてみたり、
あらたな何かを手に入れるために違う場所へ飛び立ったり、
そういう話を収めた本です。
表紙はこちら。キィが作った人形と薔薇です。撮影もキィ。
なんだか好評で、皆さまの手に取り率が高かったそうな。
以下、各書き手のものを一つずつ、冒頭抜粋です。
「曇天。葉を落とした木々の枝が寒空にひっそりと目して冬を待つ。ガラス張りのビルが
ベルベットの空を映す。あなたは終わりを待つと決めた。彼女を何からも引き止めないと
決めた。あなたの夢は終わるものだ。世界は続く。あなたが生きている限り続く。夢が
絶え果てても」 ―「最愛 」
「私は羊を連れて放浪を続けます。羊が何頭いるか私は知りません。しかしいなくなる
羊がいれば私はいずれそれがわかるし、その羊が戻ってくることも、戻ってこないことも
あります。いなくなった羊が惜しいことも、そうでもないこともあります。これらの羊はおのず
から生まれることも、私が生むこともあります。私はそれらの羊と群れなして、放浪を続ける
のです」 ―「脈」
「ふたりはそれぞれのアミュレットを月光の届く窓辺に置いた。満月が石を浄化する。
彼女のものはローズクウォーツと水晶を中心にラピスラズリなどを入れて組んである。
あなたの石はオニキスに水晶、天眼石だ。月光を反射して触れると冷たい」
―「ドライ・ドライ・マティーニ」
「詩稀は酔いの只中に居ると、悠希は思っている。 取り立てて奇異な女ではない。
人目を引く容色もない。身長・体格ともに標準で、むしろ一般に埋没するのが特技だと、
称えてやってもいいほどである。ただ詩稀の眼だけが悠希を捉えた。黒々と底深く、
膜の張ったような鈍い光を放ち、そのくせ貪欲に対象を射抜く眼」
―「手を伸ばす、僕らは光を飲み干して」
埒外
- 2013.02.23 Saturday
- 各冊子ご紹介
- 15:06
- comments(0)
- -
- -
- by 詩架
『埒外』 A5コピー、20ページ、200円。
オカルト/夏/ノット耽美/某アニメへのオマージュ含む。
・かげろう ―容
・Without hope, we live in desire. ―水無瀬
・朱光 ―容
・青春時代の真紅なHEROとオカルト娘に敬意を ―天根和幸
・仮夜 ―容
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2012夏COMIC CITY大阪新刊です。
表紙はこちら。あかばらさの天根和幸氏が描いてくださいました。
のみならず本編も寄稿くださっています。いつも……ありがとう……。
草いきれとか、夏の蚊柱とか、鬱陶しいような懐かしいような感情を
抱かせる事物と、夏の暑さに輪郭を溶かされていく人の姿、を書いてみたかった。
そのときの既刊『不在』『未題』が耽美中二系だったので、
ノット耽美! の縛りを設け、夏だからオカルトの香りづけをしてみました。
以下、各書き手のものを一つずつ、冒頭抜粋です。
「山あいの町の秋は早い。傾いた陽射しにひぐらしが鳴く。彼女は無人の駅に降りる。
木造の駅舎は手を入れればそれなりに観光地らしくなるものを、古く錆びた金網の
ゴミ箱や蜘蛛の巣の張った自動販売機が景観を損ねている。ひぐらしに秋の気配を
知っても太陽はまだ充分に残暑だ。鞄を開けて手巾を取り出して滲む汗を拭う。
彼女は全身真っ黒な服を着ている」 ―「Without hope, we live in desire. 」
「彼女は名をまりあという。聖母と同じ音に漢字を当てる。彼女は常にメダイを携帯しているが、
それは彼女が信仰深いからではない。メダイを入れた小さな別珍の袋には、ほかに水晶・
アメジスト・ローズクォーツのチップ、ミサンガ、五芒星が縫いとられたお守り、象の尾と言われる
草が埋め込まれた銀細工のリング、ガラス細工のドールの眼球、魔法の粉を包んだパラフィン紙、
それから……。」 ―「青春時代の真紅なHEROとオカルト娘に敬意を」
「見返り坂を上っている。世ならぬものが視える坂だと人は言う。いわく、己の最期が。いわく、
己の過ちが。いわく、択んだ愛の行く末が。 私はいずれも欲していない。何故って、もう死んで
いるからだ。時系列が意味を失って久しい。過去は流れ、未来は閉じた。現在という一点の
連なりに身を委ねおそらく数十年を経た。」
―「仮夜」
既刊・新刊一覧
- 2013.02.13 Wednesday
- 既刊・新刊一覧
- 21:57
- comments(0)
- -
- -
- by 詩架
・詳細は各冊子の紹介記事でご覧ください。写真や本文抜粋も見られます☆
・掲載は、上→下に新(発行予定)→旧となっております。
・「在庫僅少」は5部未満のものです。『不在』はなんと、50部完売しました!
再版はせず再録+α本『翼果集』に譲ります。お買い上げ有難うございました。
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・『春暁』A5コピー、40ページ前後予定、300円。 【2013大阪文フリ新刊】
「泡、籠、暁」
・『翼果集』 新書オフセット、180ページ、800円。 【2013大阪文フリ新刊】
『不在』『未題』の
さらに
・『埒外』 A5コピー、20ページ、200円。
オカルト/夏/ノット耽美/某アニメへのオマージュ含む。
・『無想』 正方形コピー、20ページ、無料配布。 【配布終了】
幻想/
・『LIVE FLOWERS』 A5コピー、26ページ、200円。 【在庫僅少】
吉井和哉トリビュート、
セットリスト→BURN/メロメ/CALL ME/SNOW・ダビデ/MY FOOLISH HEART/
人それぞれのマイウェイ・LOVE&PEACE
※CALL MEは『無音』から再録です。
・『無音』 正方形コピー、14ページ、無料配布。 【在庫僅少】
BUCK-
ノット二次創作、
Coyote/Masquerade/CALL ME
・『不在』 新書オフセット、82ページ、500円。 【完売しました】
恋愛/不在、欠落、喪失。連作含む短篇8編
・『未題』 新書オフセット、72ページ、500円。 【在庫僅少】
恋愛/幻想/百合。
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