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    • 2016.07.21 Thursday
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    未題

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      ・『未題』 新書オフセット、72ページ、500円。  【在庫僅少
      恋愛/幻想/百合。短篇9編+巻頭(詩とも掌編ともつかないナニカ)

      『翼果集』に全編再録されます。
      こちらも、あかばらさ天根和幸氏がゲストで寄稿くださってます。

      ・前書き(「合わせ鏡」)   ―容
      ・漂う骨            ―容
      ・そして、死の匂い      ―水無瀬
      ・水のない川         ―容
      ・散骨             ―キィ
      ・営む 五つの情景     ―容
      ・Muddy           ―天根和幸
      ・堕落             ―水無瀬
      ・   、            ―容
      ・目覚めのない朝を待つ   ―キィ

      -------------------------------------------------------------

      2011秋・文学フリマ新刊です。
      『不在』と同時発行ですが、こちらは、水無瀬、キィ、容が大学;時代に
      書いていた短篇の再録が中心になっています。
      『不在』がその当時の私たちのテーマの集大成、とするならば
      『未題』はそのデッサンの集まりでしょうか。

      短めで、情景的な作品が多いです。
      特に容は作品数が多く見えて一つ一つが短い、羊頭狗肉パターンです(笑)

      デッサンといっても、各作品は『不在』とは独立していますので、
      セットではなく個別にもお楽しみいただけます。
      そして再録と言いつつ、「漂う骨」は完全リライト、
      「堕落」および「目覚めのない朝を待つ」は完全書き下ろしなので
      大学時代というよりは、詩架の文体になっているかと。

      あ、そういえば、容の「 、」は、誤植ではなく、そういうタイトルです。
      読点ですね。息継ぎ、空白、つなぎめ、そういったイメージでした。

      表紙はこちら。詩架がこよなく愛する大阪・中崎町の
      書肆・珈琲舎アラビクさんの中庭を撮らせていただきました。
      (ちゃんとオーナーにお願いしたよ!)
      すっごい素敵なカフェなので、皆さまもぜひお運びになって。



      以下、各書き手のものを一つずつ、冒頭抜粋です。



      「手首をつかめば指の痕が淡くついた。カーモスの白い肌に朱く浮く己の痕にヴァリェタは
      甘い目眩を覚える。彼女の皮膚はやわらかい。細く骨ばって硬質なはずの手首にすら、
      力をこめればあっけなく鬱血がにじむ。肌がどうしようもなく柔いのだ、とヴァリェタは嘆息
      する。薄い皮膚はしきそもうすく、銀色の長い髪は陽の下でも月の光のように煙った」
                                                                       ―「堕落 」

      「私は妖気立って凶悪なこの犯罪者と心中してやると決心した。
        『行き先は天国でいいかい、』
      とてもよく晴れた寒い日だった。私は朝からいつものように、見張り台の塔の上から広大な
      墓地を見下ろしている。私の仕事はここで日がな一日、墓地の見張りをしていることだ」 
                                                                       ―「Muddy」

      「ねえ、知ってる。これネズミの肉が入ってるんだって。ユミが得意気に切り出す。持っている
      バーガーにはしっかりと歯型がついている。いやだぁ、とサキはバーガーにパクついた。
      ありがち、とリナはポテトをくわえる。他の客席を気に留めずにユミはケラケラと笑った。会話も
      関係も紙ナプキンくらい、薄ければ薄いほど軽ければ軽いほどいい」
                                                                      ―「目覚めのない朝を待つ」

      「ヒステリア・シベリアナという病気を知っているかと彼は訊いたのだった。小説で読んだわと
      私が答えると、口の端を吊り上げて、君は憧れてるんじゃないのかいと皮肉る。地平線しか
      見えない荒野を耕し続けた農夫が、ある日突然鍬を投げ捨て、太陽の沈む西へ西へと歩き
      続けて飲まず食わずでやがて死ぬ。君は素質があるよ、なぜなら君はそう思い込みたがって
      いるから、とにっこり笑って、私達は食事に出かけた。食べることを嫌いな人間がいるなんて
      信じられない、とその夜私は思っていた」                     ―「  、」





      不在

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        ・『不在』 新書オフセット、82ページ、500円。 【完売しました
        恋愛/不在、欠落、喪失。連作含む短篇8編

        完売しましたが、『翼果集』に全編再録されていますので、ご参考ください!

        あかばらさの天根和幸氏にゲスト寄稿いただきました。
        いつもありがとうございます。


        ・Solid Objects ―水無瀬
        ・ドライ・ドライ・マティーニ ―キィ
        ・極月の花 ―水無瀬
        ・脈 ―天根和幸
        ・最愛 ―水無瀬
        ・夜明け、あるいは常明の ―容
        ・手を伸ばす、僕らは光を飲み干して ―容
        ・飛翔 ―容

        -------------------------------------------------------------

        2011秋・文学フリマ新刊です。
        詩架の処女作でもあります。


        食べて働いて眠る、という生活の土台には何ら影響ないけれど
        「生きて」いくために各人が必要とするものがあると思います。

        あるひとにはフィクションの摂取、
        あるひとには恋愛かもしれず、
        あるひとには恋愛ですらない、友人との隠微な精神のつながり、

        レイモンド・カーヴァーという作家に、"Last Fragment"という詩があります。その一節を引きますが、

        To call myself beloved,
        To feel myself beloved on the earth.


        恋愛に限らず、どんな形であれ「在ることを赦されている」実感のために生きているのではないかという気がします。
        その実感を得るために必要とする何かがあると思うのです。

        それが「欠落している」「いつまでも不在である」「喪失してしまった」状況が、結成前から詩架の書くもののテーマでした。
        その欠落/不在/喪失 と認めたうえで、どう生きていくのか
        あるいは自分の手で作り出せないか?

        「なにか」を奪われたり取り戻そうと足掻いたり、
        失ったまま記憶をよすがに生きてみたり、
        あらたな何かを手に入れるために違う場所へ飛び立ったり、

        そういう話を収めた本です。

        表紙はこちら。キィが作った人形と薔薇です。撮影もキィ。
        なんだか好評で、皆さまの手に取り率が高かったそうな。





        以下、各書き手のものを一つずつ、冒頭抜粋です。



        「曇天。葉を落とした木々の枝が寒空にひっそりと目して冬を待つ。ガラス張りのビルが
        ベルベットの空を映す。あなたは終わりを待つと決めた。彼女を何からも引き止めないと
        決めた。あなたの夢は終わるものだ。世界は続く。あなたが生きている限り続く。夢が
        絶え果てても」                      ―「最愛 」

        「私は羊を連れて放浪を続けます。羊が何頭いるか私は知りません。しかしいなくなる
        羊がいれば私はいずれそれがわかるし、その羊が戻ってくることも、戻ってこないことも
        あります。いなくなった羊が惜しいことも、そうでもないこともあります。これらの羊はおのず
        から生まれることも、私が生むこともあります。私はそれらの羊と群れなして、放浪を続ける
        のです」                             ―「脈」

        「ふたりはそれぞれのアミュレットを月光の届く窓辺に置いた。満月が石を浄化する。
        彼女のものはローズクウォーツと水晶を中心にラピスラズリなどを入れて組んである。
        あなたの石はオニキスに水晶、天眼石だ。月光を反射して触れると冷たい」
                                             ―「ドライ・ドライ・マティーニ」

        「詩稀は酔いの只中に居ると、悠希は思っている。 取り立てて奇異な女ではない。
        人目を引く容色もない。身長・体格ともに標準で、むしろ一般に埋没するのが特技だと、
        称えてやってもいいほどである。ただ詩稀の眼だけが悠希を捉えた。黒々と底深く、
        膜の張ったような鈍い光を放ち、そのくせ貪欲に対象を射抜く眼」
                                               ―「手を伸ばす、僕らは光を飲み干して」


        埒外

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          『埒外』 A5コピー、20ページ、200円。
          オカルト/夏/ノット耽美/某アニメへのオマージュ含む。短篇4編+巻頭詩。


          ・かげろう                                                ―容
          ・Without hope, we live in desire.              ―水無瀬
          ・朱光                                                    ―容
          ・青春時代の真紅なHEROとオカルト娘に敬意を       ―天根和幸
          ・仮夜                                                    ―容
                  
          -------------------------------------------------------------

          2012夏COMIC CITY大阪新刊です。

          表紙はこちら。あかばらさの天根和幸氏が描いてくださいました。
          のみならず本編も寄稿くださっています。いつも……ありがとう……。



          草いきれとか、夏の蚊柱とか、鬱陶しいような懐かしいような感情を
          抱かせる事物と、夏の暑さに輪郭を溶かされていく人の姿、を書いてみたかった。

          そのときの既刊『不在』『未題』が耽美中二系だったので、
          ノット耽美! の縛りを設け、夏だからオカルトの香りづけをしてみました。

          以下、各書き手のものを一つずつ、冒頭抜粋です。



          「山あいの町の秋は早い。傾いた陽射しにひぐらしが鳴く。彼女は無人の駅に降りる。
          木造の駅舎は手を入れればそれなりに観光地らしくなるものを、古く錆びた金網の
          ゴミ箱や蜘蛛の巣の張った自動販売機が景観を損ねている。ひぐらしに秋の気配を
          知っても太陽はまだ充分に残暑だ。鞄を開けて手巾を取り出して滲む汗を拭う。
          彼女は全身真っ黒な服を着ている」              ―「Without hope, we live in desire. 」

          「彼女は名をまりあという。聖母と同じ音に漢字を当てる。彼女は常にメダイを携帯しているが、
          それは彼女が信仰深いからではない。メダイを入れた小さな別珍の袋には、ほかに水晶・
          アメジスト・ローズクォーツのチップ、ミサンガ、五芒星が縫いとられたお守り、象の尾と言われる
          草が埋め込まれた銀細工のリング、ガラス細工のドールの眼球、魔法の粉を包んだパラフィン紙、
          それから……。」                              ―「青春時代の真紅なHEROとオカルト娘に敬意を」


          「見返り坂を上っている。世ならぬものが視える坂だと人は言う。いわく、己の最期が。いわく、
          己の過ちが。いわく、択んだ愛の行く末が。 私はいずれも欲していない。何故って、もう死んで
          いるからだ。時系列が意味を失って久しい。過去は流れ、未来は閉じた。現在という一点の
          連なりに身を委ねおそらく数十年を経た。」
                                                           ―「仮夜」


          既刊・新刊一覧

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            ■2013.02.13現在
             
             ・詳細は各冊子の紹介記事でご覧ください。写真や本文抜粋も見られます☆

             ・掲載は、上→下に新(発行予定)→旧となっております。

             ・「在庫僅少」は5部未満のものです。『不在』はなんと、50部完売しました!
              再版はせず再録+α本『翼果集』に譲ります。お買い上げ有難うございました。

            ----------------------------------------------------------------------

            『春暁』A5コピー、40ページ前後予定、300円。   【2013大阪文フリ新刊
                「泡、籠、暁」の三題噺を集めたゲスト様8名の豪華企画本。
                ノット耽美バット多様。詩架では恐らく最も明るい。なんと表紙までゲスト様。

            ・『翼果集』 新書オフセット、180ページ、800円。  【2013大阪文フリ新刊
                『不在』『未題』の全作品、及び『埒外』『無想』の一部作品を再録、
                さらに新作三本収録の全部盛り本。
                恋愛/幻想/百合。連作含む短篇23編

            ・『埒外』 A5コピー、20ページ、200円。
                オカルト/夏/ノット耽美/某アニメへのオマージュ含む。短篇4編+巻頭詩。

            『無想』 正方形コピー、20ページ、無料配布。  【配布終了
                幻想/グリム童話パロディ/R15。短篇2編   

            ・『LIVE FLOWERS』 A5コピー、26ページ、200円。 【在庫僅少
                吉井和哉トリビュート、ノット二次創作、ノットBL。えまさまは出ません!    
                吉井和哉というロックスターやその楽曲がもたらしたイメージをSSに起こしました。 
                セットリスト→BURN/メロメ/CALL ME/SNOW・ダビデ/MY FOOLISH HEART/
                                 人それぞれのマイウェイ・LOVE&PEACE
                ※CALL MEは『無音』から再録です。

            ・『無音』 正方形コピー、14ページ、無料配布。 【在庫僅少
                BUCK-TICK、清春、吉井和哉の楽曲トリビュート三編。
                ノット二次創作、ノットBL、バットフルオブラブ。巻末おまけで各アーティスト紹介。    
                Coyote/Masquerade/CALL ME  

            ・『不在』 新書オフセット、82ページ、500円。  【完売しました
                恋愛/不在、欠落、喪失。連作含む短篇8編

            ・『未題』 新書オフセット、72ページ、500円。  【在庫僅少
                恋愛/幻想/百合。短篇9編+巻頭(詩とも掌編ともつかないナニカ)


                


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